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返ってきた過払い金に所得税はかかるのか
1 過払い金には所得税がかかる部分とかからない部分がある
過払い金とは、簡単にいうと、借主が貸金業者等の貸主に返済しすぎたお金です。
利息制限法に定める上限利率を超える高い利率でお金を借りていた場合に、利息が払いすぎになっていることがあり、この払いすぎた分が過払い金です。
過払金には元本部分と、利息部分があります。
結論から申し上げますと、過払金の元本部分には所得税はかかりません。
過払い金の利息部分には所得税がかかる場合があります。
2 返ってきた過払い金の元本には所得税は課せられない
基本的に所得税は収入に対して課せられます。
したがって、過払い金が収入に当たる場合は、所得税が課せられることになります。
過払い金は、利息制限法で定められた上限金利を超える利息を支払っていた場合に生じるものですので、利息制限法で決められた上限金利を超える利息は本来支払う必要がないものです。
過払い金請求は、法的な言い方をすると不当利得返還請求というものです。
具体的には、債務者が債権者に対し、債権者が法的な理由がないにもかかわらず得た利益を返還せよと請求するものです。
つまり、過払い金で取り戻すお金は、もともと自分のお金ということになります。そのため、過払い金の元本部分は収入には当たりません。
したがって、過払い金の元本部分には所得税が課せられません。
3 過払金の利息部分には所得税が課せられる場合がある
過払い金請求をする場合、特に訴訟を起こすケースでは、年5%の過払い利息をつけて請求することが多いです。
この場合、債権者から支払いを受けた利息部分については、所得税法上、事業活動によらず得た所得として雑所得に含まれますので、所得税が課税されるのが原則です。
参考リンク:国税庁・返還を受けた利息制限法の制限超過利息
4 確定申告の必要がある場合とない場合
雑所得も当然収入とみなされるため、確定申告が必要になります。
ただし、過払い金の利息を含めたその年の雑所得が20万円以下であり、さらにサラリーマンやパートなどの給与所得者であれば、確定申告の必要はありません。
他方、雑所得が年間20万円以上ある場合は、確定申告をしなければなりません。また、雑所得が年間20万円以下であっても、事業所得者である個人事業主の方は確定申告が必要です。
なお、過払い金請求が和解によって決着したときは、一般的には返還されるお金に利息は含まれていないため、確定申告をする必要がない場合もあります。
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