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過払い金返還請求は訴訟をした方がよいのか
1 過払い金返還請求ができる場合
過払い金とは、簡単にいうと、借主が貸金業者等の貸主に返済しすぎたお金です。
利息制限法に定める上限利率を超える高い利率でお金を借りていた場合に、利息が払いすぎになっていることがあります。
この払いすぎた分が過払い金です。
過払い金返還請求は、和解交渉で終わるのがほとんどですが、和解交渉だけで必ずしも全額回収できるわけではありません。
過払い金の返還請求の交渉がうまくいかないときは、訴訟で解決する場合もあります。
2 訴訟と交渉とではどちらが多く過払金が返還されるか
結論から申し上げますと、裁判のほうが、交渉よりも高額で決着する可能性が高いです。
任意での交渉の場合、業者によっては専門家が入っても交渉に応じず強硬姿勢をとるところもありますし、また大幅な減額を要求する業者もあります。
また、過払金の利息分もすべて請求する場合などは、業者から特にできるだけ返したくない、という態度で臨まれることがあります。
一般的には、裁判をしても弁護士が代理人として活動いたしますので、弁護士費用や実費を含めても裁判で請求をした方が、金額は多くなる傾向にあります。
裁判をして、過払金返還請求における争点が特になく、請求する側の勝訴で終われば、利息分も含めた満額回収も可能です。
3 裁判をした場合のデメリットは何か
裁判のデメリットとして、交渉の場合よりも、費用や時間がかかることが挙げられます。
裁判をするには、裁判所に予納する予納郵券や印紙代が必要になりますし、弁護士が出廷する場合は出廷日当がかかります。
また、解決までの期間も、訴訟のほうが長くなる傾向にあります。
交渉による場合、解決までの期間が約3か月から半年ほどであるのに対し、訴訟の場合は、通常半年から1年はかかることが多いです。
4 裁判の流れ
⑴ 裁判所に訴状を提出する
原告の弁護士が代理人として、訴える内容を書いた訴状を管轄の裁判所に提出します。
返還を求める過払い金の額が140万円以下の場合は簡易裁判所、140万円を超える場合は地方裁判所が管轄となります。
参考リンク:裁判所・簡易裁判所における民事訴訟
⑵ 裁判期日への出席
裁判所が第1回目の期日を決めて、弁護士が裁判所に出廷します。
被告側は受け取った訴状に対して、答弁書を裁判所に提出します。
⑶ 訴訟の追行
原告代理人が裁判期日に出席して、訴状の内容を陳述し、被告は答弁書の内容を陳述します。
ここで和解できなければ、この先も通常月に一度のペースで口頭弁論が開かれます。
⑷ 訴訟の進め方等の方針決定
第1回目の期日で、第2回目の期日を決め、それまでに、弁護士が準備書面という追加で主張する書面を作成したり、依頼者に期日の報告をしたりします。
また、弁護士は、依頼者と相談して、裁判所から判決をもらうか、もしくは和解するか等の方針を決めます。
⑸ 和解で解決するか判決で解決するか
通常、月に一度の口頭弁論で原告と被告が互いに主張・反論を繰り返し、議論が十分なされたと裁判官が判断すれば判決が言い渡されます。
判決の前に和解が成立する場合も多くあります。
5 裁判をするかどうかは弁護士と相談して決めた方が良い
裁判というと、何となく怖いとか、大変そうだとお考えの方も多いと思います。
しかし、弁護士が出廷から書類作成まで行いますので、ご本人は弁護士の報告・相談をきいてどこまで続けるかを決めれば足ります。
裁判の流れ等はお気軽に弁護士までおたずねください。
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