学生でも休業損害が認められるケース
1 そもそも休業損害とは?
交通事故に遭って仕事を休まなければならなくなり,そのことによって,収入が減少してしまった場合には,収入の減少分は事故によって被った損害であるとして,加害者に対して損害賠償請求をすることができます。
この損害のことを,法律用語では「休業損害」と呼びます。
例えば,日給1万円で仕事をしていたところ,交通事故に遭って7日分仕事を休んだとすると,1万円×7日の7万円が休業損害であるというように,計算をすることになります。
2 被害者が学生の場合の問題
もっとも,休業損害が支払われる前提として,事故がなければ被害者は仕事をして収入を得ていたはずであるということが証明されなければなりません。
通常,この証明は,勤務先に事故前数か月間の就労の実態と,それに対する給与支払額を証明してもらうことによって行います。
しかし,被害者が学生の場合で,仕事を何もしていないという場合には,事故によって収入が減ったということはできないので,原則として休業損害は認められないこととなります。
ただし,学生の場合でも例外的に休業損害が認められる場合がありますので,以下にご紹介いたします。
3 学生でも休業損害が認められるケース① アルバイト等をしている場合
まず,学生でも休業損害が認められる場合として,学業の傍ら,アルバイト等により収入を得ている場合が考えられます。
この場合には,事故がなければ本来得られていたはずのアルバイト収入について,一般の給与所得者と同じように休業損害が認められます。
4 学生でも休業損害が認められるケース② 就職の遅れ
また,学生でも,事故がなければ近い将来に就職して収入を得る可能性が高い状況にあった場合には,休業損害が認められる可能性がございます。
例えば,4月1日から仕事を始める予定だったのに,3月28日に交通事故に遭ってしまって,4月一杯仕事や済まなければならなかったというような場合には,4月分の休業損害が認められる可能性があります。
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