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交通事故被害相談@池袋

無保険車と交通事故を起こした場合

  • 文責:所長 弁護士 田中浩登
  • 最終更新日:2021年2月8日

1 交通事故の相手が無保険車の場合の問題点

交通事故の相手方が、自賠責保険にも任意保険にも加入しているという場合は、被害者の方は、原則としてこれらの保険から賠償を受けることができます。

他方で、交通事故の相手方が、自賠責保険にも任意保険にも加入していなかった場合は、仮に、その事故が相手方の一方的な過失によって発生した事故であったとしても、加害者側の資力が乏しく、十分な賠償を受けることができない可能性があります。

また、相手方に資力がある場合でも、任意に賠償金を支払ってくれるとは限りません。

交通事故の相手が無保険車であった場合は、上記のような問題点が生じます。

2 相手方が無保険車の場合の賠償請求方法

一口に「無保険車」と言っても、「無保険車」という言葉は、自賠責保険にも任意保険にも加入していないという場合のみならず、自賠責保険には加入しているが任意保険には加入していないという場合にも用いられますので、両者を区別して検討する必要があります。

⑴ 自賠責保険・任意保険どちらにも加入していない場合

相手方が自賠責保険にも任意保険にも加入していない場合に損害賠償請求をするには、直接、相手方に連絡を入れて交渉をしたり、訴訟を提起したりする必要があります。

相手方が交渉に応じ、示談書が取り交わされたという場合でも、その後、相手方が示談書どおりに支払いを行ってくれるか不安だという場合は、示談書を公正証書にしておくという方法もあります。

⑵ 自賠責保険には加入しているが任意保険には加入していない場合

相手方が自賠責保険に加入している場合は、まず、自賠責保険に対して請求を行えば、自賠責保険金が支払われる可能性があります。

自賠責保険金が支払われた場合は、支払われた自賠責保険金のみでは足りない分の賠償を、相手方に対して請求していくことになります。

なお、物損については自賠責保険金が支払われませんので、物損の損害賠償は、最初から相手方に対して直接請求していくことになります。

3 無保険の相手方が損害賠償請求に応じない場合の対処法

相手方が無保険のため損害賠償に応じてくれない場合の対処方法としては、以下のようなものが挙げられます。

⑴ 自分の加入している保険の利用

例えば、ご自身が、「車両保険」、「人身傷害保険」、「搭乗者傷害保険」、「無保険車傷害保険」といった保険に加入されている場合は、これらの保険を利用することで、損害の全部または一部が填補されます。

そのため、相手方が無保険車であった場合は、一度ご自身の加入されている保険を確認することをおすすめします。

⑵ 労災保険の利用

交通事故が通勤中や業務中に発生したという場合は、労災保険から補償を受けることができる可能性があります。

もっとも、労災保険からの給付金によって交通事故で生じた全ての損害が補償されるというわけではありません。

例えば、労災保険からの休業給付は給付基礎日額の60パーセントに限定されますし、労災保険からは慰謝料に関する給付はなされません。

そのため、労災保険によって填補されない損害については、相手方に対して請求をしていくことになります。

⑶ 政府保障事業の利用

相手方が自賠責保険にも任意保険にも加入していなかった場合の最後の手段として、「政府保障事業」というものがあります。

「政府保障事業」とは、自賠責保険の対象とならない事故に遭った被害者において、健康保険や労災保険等の他の社会保険の給付や、本来の損害賠償義務者からの支払いを受けたうえでもなお損害が残る場合に、政府がその損害を填補するという制度です(参考リンク:国土交通省・自賠責保険ポータルサイト・政府保障事業について)。

「政府保障事業」による保障の内容は、自賠責保険と同様となっています。

「政府保障事業」への請求の手続きは、各損害保険会社や責任共済の窓口において行うことが可能です。

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