交通事故の示談交渉の流れ
1 交通事故の示談交渉はいつ始まるのですか?
交通事故の示談交渉(いわゆる慰謝料等の交渉)は,治療が終了した後に行われます。
なお,一定期間治療をしたにもかかわらず症状が残ってしまった場合は後遺障害の申請をする必要がありますが,この場合は後遺障害の結果が出た後となります。
2 どのような項目があるのですか?
治療費,入通院付添費,入院雑費,交通費,休業損害,通院慰謝料,後遺障害慰謝料,後遺障害逸失利益等の項目があります。
これらのうち,治療費は相手方の保険会社から既に支払われている場合も多く,また,交通費や休業損害等も支払われている場合がありますので,支払いが未だ済んでいない項目が交渉の対象となります。
3 交通事故の交渉にはどのくらいの期間がかかるのですか?
ケースによって1か月~数カ月,長い場合には半年等まちまちです。
重傷案件で金額が高額になれば長期間かかりますし,双方の提示に開きがあればあるほど時間がかかります。
また,個人事業主や会社役員の休業損害等で算定方法が複雑なものであれば,時間がかかります。
4 弁護士が入ると金額は増えるのですか?
弁護士が入らない場合,保険会社は慰謝料を自賠責基準,あるいは任意保険基準で慰謝料を提示してきます。
この点,自賠責基準は最低限の基準ですので,これに準拠して賠償額を算出すると低くなります。
また,任意保険基準は自賠責基準よりも高い場合が多いですが,個々の保険会社によって基準が異なりますので,不透明です。場合によっては,自賠責基準とほとんど変わらないこともあります。
これに対し,弁護士は,いわゆる「裁判基準」ないし「弁護士基準」と呼ばれる基準を使用します。
この場合,保険会社の使用する自賠責基準や任意保険基準に比べ,賠償額が高額になることが多いです。
5 「裁判基準」や「弁護士基準」とは何ですか?
「裁判基準」や「弁護士基準」とは,具体的に言うと,「赤本」(公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部が発行する「民事交通事故訴訟 損害賠償算定基準」という正式名称の書籍)や,「青本」(公益財団法人日弁連交通事故相談センターが発行する「交通事故損害額算定基準―実務運用と解説―」という正式名称の書籍)に記載されている算定基準の総称です。
赤本は,赤い色の表紙で,青本は青い色の表紙なのでこのように呼ばれております。
両者は,ともに過去の裁判例の蓄積を踏まえ,交通事故の損害賠償請求において認められる項目,算定基準等が解説された書籍です。
弁護士が裁判をする場合には必ずこれらの書籍を参考にしますし,裁判官も参考にします。
6 流れ
交通事故の示談交渉の流れは,双方が金額を提示しあい,双方が折り合うことができるところまで交渉し,金額の合意ができたら示談書の取り交わしをし,入金といった流れです。
7 弁護士への相談
交通事故について専門的な知識のない被害者が,自分で保険会社と交渉するのは困難ですし,相当なストレスもかかります。
示談交渉の際は弁護士に相談することをお勧めいたします。
池袋周辺で弁護士をお探しの際は,弁護士法人心にご相談ください。