交通事故の示談金はどのように計算するのですか?
1 交通事故の示談金を計算するタイミング
交通事故被害による損害は、主に、車両の修理や所持品の損傷などの物的損害(物損)と、事故によるケガの治療費や慰謝料などの人的損害(人損)に分けられます。
物損については、通常、車両の修理費用が確定した時や修理が終了した時に示談金を計算します。
人損については、治療が終了した時に示談金を計算するのが一般的です。
もっとも、後遺障害の認定申請を行った場合には、基本的にその結果が出た後に計算することになります。
2 交通事故の示談金の損害項目
示談金の計算は、通常、損害の項目ごとに行います。
物損については、車両の修理費用(修理費用が車両の時価額を超える場合には車両の時価額)、レッカー代、代車費用、所持品といった項目があります。
人損については、治療費、通院交通費、通院付添費、休業損害、通院慰謝料といった項目があります。
後遺障害等級が認定された場合には、後遺障害慰謝料や逸失利益といった損害も計算するのが一般的です。
3 示談金の計算方法
示談金は、通常、損害の項目を合計し、被害者側にも過失がある場合には合計額から過失割合に応じた減額を行い、そこから既払い金を控除して、最終的な支払金額を計算します。
例えば、人損で、各損害項目の合計額が200万円、過失割合が2:8、治療費の40万円が既払いになっている場合を考えてみましょう。
計算式は「200万円-200万円×20%-40万円」となり、最終的な示談金額は120万円となります。
4 示談する前に必ず弁護士に相談を
相手方保険会社から提示される示談金額は、あくまで相手方保険会社の基準にしたがって計算されたものであり、必ずしも適切な金額であるとは限りません。
状況によっては、本来支払われるべき損害項目が抜け落ちていたり、損害額の計算方法が不当に低額であったりすることもあります。
一度示談してしまうと、通常それ以上の請求をすることはできなくなりますので、相手方保険会社から示談金額が提示された場合は、示談する前に、交通事故に詳しい弁護士に確認することをおすすめします。
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