個人再生にはどんなデメリットがありますか？

まず初めに、個人再生だけでなく、債務整理を行うこと全般に当てはまるデメリットについてご説明します。

それは、信用情報機関に登録される、いわゆる「ブラックリストに載る」ということです。

これに登録されることで、当面の間は新たに借入れを行ったり、クレジットカードを作ったりすることが難しくなります。

同様に住宅ローン等の審査も通らなくなる可能性が高いため、人によっては生活に大きな影響が出ると考えられます。

個人再生、自己破産の法的手続きについては、手続きを行うことで官報に氏名・住所が記載されることになります。

官報を閲覧する機会は通常かなり限定的であり、記載されたからといって周囲の人に知られてしまう可能性は低いといえますが、デメリットの１つにはなり得ます。

個人再生は借金を大幅に減額することのできる手続きですが、破産する場合と異なり、あくまで一定額の返済を行うことになる手続きです。

また、個人再生には清算価値保障原則というものがあるため、個人再生の最低弁済額は、破産手続きをした場合に債権者が得られるであろう弁済金額を上回っていなければなりません。

清算価値保障については、こちらをご覧ください。

自己破産との比較でいえば、借金が無くなるわけではないということや、清算価値の金額によって個人再生の最低弁済額が変動する可能性があるという点がデメリットとなり得ます。

個人再生と自己破産の違いについてはこちらをご覧ください。

先にも述べたとおり、個人再生はあくまで手続き後も返済を行う手続きですので、将来的に返済していけるだろうという見込みが立たなければ利用することはできません。

アルバイトであっても、安定的に返済の目途が立つ程度の収入があれば問題なく利用できますが、不安定な収入で返済の目途が十分であるといえない場合や、専業主婦である場合などは利用することができない手続きです。

これも、個人再生のデメリットというよりは手続きの要件の問題といえますが、通常の小規模個人再生という手続きでは、債権者の過半数が反対の意思表示をしてしまうと、再生計画が認可されなくなってしまいます。

したがって、借入れ先が１社、２社しかないようなケースでは、必然的に特定の会社の判断に再生計画認可の成否が委ねられてしまいますので、個人再生手続きを選びにくいといえます。

なお、給与所得者再生という手続きを選ぶことの問題はなくなるのですが、可処分所得の２年分が最低弁済額となるので、小規模個人再生を選ぶ場合よりも返済額が増えてしまう可能性があるという懸念点が残ります。