個人再生は自分で申し立てできますか?
1 個人再生を自身で行うケースは極めて稀
債務の返済が困難になっている状況にあるため、弁護士費用も節約して債務整理手続を行えないかと考えることもあるかと思います。
しかし、個人再生を債務者が独力で申し立てた件数は全体の1%を大きく下回っており、ほとんどないに等しい状況です。
裁判所も弁護士に依頼することを勧めているというのが実情となります。
2 手続選択の妥当性
債務整理には個人再生以外にも、任意整理、自己破産という手続があります。
個人再生は債務整理の中でもやや特殊な手続なので、それを選ぶのが適切かどうかの判断が難しいです。
自分では個人再生がよいと思っていても、専門家からすれば妥当でないということもあり得ますので、その点を弁護士が確認することなく進めてしまうこと自体がやや危険だといえます。
3 作成する書面が多く、作成自体も難しい
個人再生の申立書類の作成、申立てにあたって準備しなければならない資料は数多くあります。
自分自身で行う場合、当然慣れない作業ということにもなるため、膨大な時間・労力を費やすことになります。
また、個人再生は申立後も定期的に書類の提出が必要で、スケジュールがしっかりと定められていることから、これを守れないと個人再生が認められなくなってしまいます。
なお、東京で個人再生を行う場合は必ず個人再生委員が選任されますので、個人再生委員との面談等の対応も必要となってきます。
4 債権者からの連絡は止まらない
弁護士に依頼すれば、弁護士が受任通知を発送することで債権者から直接督促を受ける状態はほぼなくなります。
しかし、自身で手続を行うとなれば督促等の連絡は止まらないため、精神的なストレスを受けながら手続を進めなければなりません。
また、弁護士が受任通知を発送している場合には、債権者も一定期間は手続きが進むまで待つという姿勢をとってくれるのが通常です。
その点、弁護士に依頼していなければ、いくら個人再生するつもりだと債権者に言ったところで督促を待ってくれるとは考えにくく、裁判を起こされる可能性も高いです。
裁判で判決が出れば、給与差押えを受けることにつながっていくため、日常生活までも厳しい状況になってしまいます。
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