家族に秘密で任意整理することはできますか？

任意整理は、裁判所を通さずに個別に債権者と交渉を行う手続です。

裁判所を通すことになる個人再生や自己破産と異なり、任意整理では家族の収入や支出に関する細かな資料の提出は求められません。

よって、基本的にはご家族に債務整理手続を行っていることを知られる心配はありません。

債権者によっては、裁判を起こしてくることがあります。

任意整理の依頼中であっても、裁判所からの書類は本人の自宅に届くことになるため、ご家族がその書類を見ることで、借金のことが家族に知られてしまう可能性があります。

任意整理を行う際に裁判を起こされてしまうケースは、そこまで多くはありません。

しかし、すでに長期に渡って滞納が続いている場合や、弁護士費用の支払いが遅れてしまいなかなか任意整理の交渉を進められなかったりする場合などには、裁判を起こされるリスクが高くなります。

また、業者によっては、任意整理に応じず直ちに裁判を起こしてくるケースもあります。

そのため、借金をしている業者が任意整理に応じてくれる会社なのかどうか、事前に確認しておくことも大事になってきます。

ご家族が保証人となっている債務がある場合に、その債務について任意整理を行おうとすると、債権者は保証人であるご家族に対して支払いを求めることになります。

ですので、どうしてもご家族に知られるのを防ぎたいということであれば、ご家族が保証人となっている債務については、任意整理の対象から外すべきといえます。

任意整理は、家族に秘密のまま債務整理を行える可能性が高い手続きです。

しかし、個人再生や自己破産と比べて効果の弱い手続きでもあります。

収支の状況によっては、任意整理よりも個人再生や自己破産を選んだ方がよいと考えられる場合もあります。

ご家族に秘密にするということも大事ですが、その後きちんと無理なく返済していけるのかどうかという点も大事ですので、債務整理を得意とする弁護士にしっかりと相談することをおすすめします。