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弁護士法人心 池袋法律事務所

個人再生をすると退職金はどうなりますか?

  • 文責:所長 弁護士 田中浩登
  • 最終更新日:2023年11月22日

1 すでに退職金を受け取っている場合

すでに退職金を受け取っている場合、法的にそれはもう退職金ではありません。

現金や預金などの資産に形を変えていますので、現金や預金として残っている金額が清算価値に計上されることになります。

もし退職金が支給されたばかりで、手元に高額の現預金がある場合は、清算価値も高くなり、個人再生により返済していく金額がかなり高くなる可能性があります。

2 近い将来退職金を受け取る予定のある場合

近々退職し、退職金を受け取る予定があるという場合(すでに退職したが退職金をまだ受け取っていない場合を含む)は、退職金見込額の4分の1が清算価値に計上されます。

なお、近々退職する場合というのは、すでに退職時期が決まっていて退職金の金額や支給時期も明確になっている場合や、すでに退職していて退職金の支払いを待っている状態のことを指します。

3 退職の予定がない場合

特に直近で退職する予定がないという場合は、退職金見込額の8分の1が財産扱いになります。

2のケースと異なり、退職が遠い未来のことになります。

そのため、まず本当に退職金が出るのかどうかが不透明であるということ、また、その会社が将来も存続している保証はないということ、さらには何らかの理由で退職金がもらえない事情が生じるかもしれないこと等々、不確定要素が多いので、2と比較して評価額が下がっています。

4 個人再生が退職金に与える影響

自己破産と違い、個人再生は財産を手放すことなく行える手続きのため、当然退職金も手元に残すことができます。

もっとも、清算価値保障原則があるため、債務者が所有している財産の評価額分については、最低限返済しなければなりません。

したがって、500万円の借金を抱えている人が個人再生をする場合、特に財産がなければ100万円まで借金が圧縮されるのですが、もしこの人が200万円分の財産を持っている場合、借金は200万円までしか圧縮されません。

多くの場合、近々退職する予定はないということで退職金の8分の1が清算価値として評価されるかと思いますが、50代の方でその会社一筋で働いているような場合だと、8分の1の金額もそれなりに高額になることがありますので注意が必要です。

5 個人再生は弁護士に相談

個人再生手続は、基本的に弁護士に依頼して行うものです。

個人再生を行うつもりで考えていたものの、弁護士に相談したら、上述の退職金の問題などにより、実は個人再生を行ってもあまり意味がないケースだと判明したということも少なくありません。

個人再生を検討されている方は、まず一度弁護士に相談することをおすすめします。

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