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Q&A

労災指定病院とは?

  • 文責:所長 弁護士 田中浩登
  • 最終更新日:2022年3月2日

1 労災指定病院

労災指定病院とは、正式には「労災保険指定医療機関」といい、医療機関からの申請に基づき都道府県労働局長がそれぞれ指定した医療機関です。

労災指定病院では、労働者の方が業務や通勤が原因で負傷したり病気になったりした場合、原則として窓口で治療費を負担する必要がありません。

ただし、無償の治療は労災保険の範囲内に限られ、病院の個室代や日用品等は患者負担になります。

もっとも、労災指定病院は、労災治療だけに対応する医療機関というわけではなく、労災以外の一般的な診療も行っています。

労災指定病院の所在地については、厚生労働省のホームページ等で検索することができます。

2 労災指定病院と労災病院の違い

労災指定病院と名前がよく似た病院として、労災病院があります。

労災病院とは、厚生労働省が所管する独立行政法人労働者健康福祉機構が運営する病院です。

労災病院も、労災指定病院と同じく、労災の治療について原則として窓口で治療費を負担する必要がありません。

労災の治療を受けるという点では、労災指定病院と労災病院とで優劣があるわけではありません。

3 労災の治療で労災指定病院を受診するメリット

⑴ 治療費立て替えが不要

上でも述べたように、労災の治療で労災病院を含む労災指定病院を受診するメリットは、病院窓口で治療費を負担する必要がないという点です。

労災の治療では健康保険が使えないため、労災指定病院以外の病院を受診した場合の治療費は10割負担となります。

後日労働基準監督署へ請求すればその分の支払いを受けることができるので、あくまで一時的な立て替えではありますが、受診のたびに多額の治療費を立て替えるのは金銭的に負担が重いですし、治療のため休職を余儀なくされていた場合は、当面の生活費に加えて治療費の心配もしなくてはならないという状況となってしまいます。

⑵ 手続きが簡便

労災の治療で労災指定病院を受診する場合、会社から指定の給付請求書へ証明をしてもらい、それを病院窓口に提出するだけで、病院が直接労働基準監督署へ治療費を請求してくれます。

一方で、労災指定病院以外を受診した場合、受診のたびに治療費を立て替えてその領収書を保管しておいたうえで、会社と受診した病院の双方で指定の費用請求書に証明をしてもらい、これらをあわせて労働基準監督署へ提出しないと立て替えた治療費を支払ってもらうことができません。

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