「自己破産」に関するQ&A
自己破産したら年金はどうなりますか?
1 年金の種類によって異なる
自己破産すると、原則としてその人の財産は処分されてしまいますが、差押えが禁止されている財産は処分されません。
年金と名がつくものの多くは差押禁止財産となっていますが、一部の「年金」は差押えが可能であり、また、差押禁止財産であっても、入金された後は差押えが可能です。
以下、それぞれについてご説明します。
2 公的年金は差押禁止財産
国民年金や厚生年金、遺族年金といった年金は、差押禁止財産です。
そのため、自己破産したとしても問題なく受給することができます。
3 企業年金
企業年金は主に確定給付型企業年金と確定拠出型企業年金があり、いずれも差押禁止債権とされています。
そのため、公的年金と同様に自己破産の影響は受けないと考えてよいです。
4 個人年金
個人年金は、個人が生命保険会社と契約して積立てを行う年金です。
個人年金も「年金」ではありますが、これは差押禁止財産ではありません。
そのため、自己破産した場合には原則として個人年金は処分されることになってしまいます。
なお、東京地裁では20万円を超える財産が処分対象となりますので、個人年金のほか生命保険の解約返戻金を合算して20万円以内であれば処分されずに残すことができます。
5 (個人型)確定拠出年金
最近では個人で確定拠出年金(iDeCo)を利用されている方も多いと思います。
個人が自分の意思で加入して財産形成を行うという点では個人年金と似ていますが、こちらは差押禁止財産になりますので、自己破産の影響を受けることがありません。
6 年金が入金された後は処分対象になる
このように、個人年金以外の「年金」は差押禁止財産になるため、自己破産の影響を受けません。
しかし、年金が実際に支払われて預金口座に入っているという状態になってしまうと、そのお金はもう「年金」ではなく通常の「預金」と同様の取り扱いを受けることになります。
つまり、差押禁止財産の性質はなくなってしまうため、一定額以上の預金であれば、自己破産手続により処分されてしまうことになってしまいます。
すでに年金を受給している、あるいは近く受給する予定がある方の場合は、どのように対応するか弁護士とよく相談して手続きを行うことが大切です。
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