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過払い金の引き直し計算は自分でできるか

  • 文責:所長 弁護士 田中浩登
  • 最終更新日:2020年8月20日

1 過払いを計算する方法

過払い金とは、簡単にいうと、借主が貸金業者等の貸主に返済しすぎたお金です。

利息制限法に定める上限利率を超える高い利率でお金を借りていた場合に、利息が払いすぎた状態になっていることがあり、この払いすぎた分が過払い金です。

過払い金があるかどうかを確認するには、利息の引き直し計算をする必要があります。

利息の引き直し計算とは、大まかにいうと、消費者金融等の債権者との契約上の利息を、利息制限法の上限利息で再計算をすることをいいます。

消費者金融等の債権者との契約上の利息を約定利息といい、利息制限法の上限利息を法定利息といいます。

過払い金の計算ツールはネット上でも見つけることができますが、債権者の取引履歴の記載が複雑な場合や取引の経過が複雑な場合もありますので、そのような場合は専門の弁護士に確認してもらう方がよいでしょう。

2 過払い金の引き直し計算を自分でする場合

過払い金の計算は、取引開始時点まで遡って、本来支払うべき利息制限法上の利息で再計算し、法定金利で支払った場合の金額と、実際に債権者に支払った金額を比較します。

そのためには、債権者から取引履歴を取得する必要があります。

貸金業法では、債務者から請求があった場合には、原則として、貸金業者は取引履歴の開示をすることを義務付けています。

取引履歴を取得したら、利息計算ソフトを使って、過払い金があるかどうか引き直し計算をしていきます。

3 利息計算ソフトによる過払い金の引き直し計算の手順

⑴ 取引履歴を取得し、利息計算ソフトをダウンロードしたら、引き直し計算を始めることができます。

エクセルシートに、取引履歴のとおりに借入れ・返済の年月日、借入額、返済額を入力していきます。

⑵ 利率を設定する場合は、取引期間中に借入残高が100万円を超えたことがある場合は15%に設定します。

100万円を超えたことがない場合は18%で設定します。

10万円を超えたことがなければ20%で設定します。

利率は、貸金業者から借り入れた際の約定利率ではなく、利息制限法の法定金利を入力しますので、注意が必要です。

⑶ 過払い利息は、最高裁の判決を踏まえて5%で設定します。