過払い金が戻ってこないケース
1 過払い金が発生していない場合
過払い金が戻ってこないケースとして、そもそも過払い金が発生していない場合があります。
過払い金が発生している取引は、平成19年以前の取引ですので、かなり前から使っていると思っていても、実際は過払い金が発生しない時代になってからの取引だったということがあります。
また、古い時代からの取引だったとしても、その借入先が法定利率内で貸し出しを行っていたのであれば過払い金は発生しません。
このような場合、過払い金返還請求の依頼をしたけれども過払い金は返ってこない(過払い金が発生していない)ということになります。
2 時効になってしまっている場合
過払い金が発生していても、時効期間が経過している場合には相手方から時効の主張がなされてしまい、過払い金は戻ってきません。
基本的には最後に取引をした時から数えて10年が経過していなければ時効は成立しないのですが、どこを起算点として10年を数えるのかについては争われることが多いです。
例えば、一度完済したことがあり、一定期間をおいて再度借入れを開始している場合は、一度完済した時点から時効期間を数えるのか、再度の借入れについて最後に返済した時点から数えるのかで大きな争いになることがあります。
裁判の結果、前者の判断が示されてしまうと、時効により過払い金は戻ってこないという結論になります。
3 ショッピングの借入れが残っている場合
過払い金はキャッシングの取引について発生するもので、ショッピングの取引について過払い金は発生しません。
ショッピングでの利用について残債務が残っている状態で過払い金の請求を行うと、過払い金はまずショッピングの残債務と相殺されることになります。
ですので、例えばショッピングの残債務が50万円ある状態で、過払い金が30万円発生した場合、過払い金はショッピングの残債務と相殺されて残債務が20万円になります。
こうなると、債務は減っているものの、手元に過払金が戻ってくることにはならないということになります。
過払い金のことで裁判をした場合にかかる期間 個人再生をご検討されている方へ