個人再生において再生委員がつかないケース
1 東京地裁では全件で再生委員が選任される
「個人再生の申立てをすると再生委員が選任されることがある」というのが一般的な説明となりますが、東京地裁本庁で申立てをした場合には全件において再生委員が選任されます。
東京地裁本庁で申し立てる場合とは、東京23区内に居住している方が個人再生を申し立てる場合ということになりますので、池袋にお住まいの方も該当します。
参考リンク:裁判所・東京都内の管轄区域表
2 基本的に再生委員が選任されるケースは少ない
その他の地方裁判所で個人再生を申し立てた場合は、基本的には再生委員が選任されることなく手続きが進んでいきます。
再生委員が選任される場合というのは、結局は裁判所が必要だと考えた場合ということになりますので、明確な基準があるわけではないものの、複雑なケースになればなるほど再生委員が選任されやすくなる傾向はあるといえます。
3 どういうケースが複雑な事案に該当するのか
例えば、借入先の数が多いケース、特に業者だけでなく個人からの借入れも多いケースになると、イレギュラーな対応も多くなってきますので、複雑な事案として扱われやすいと考えられます。
また、個人再生は申立人の財産関係も関わってくる手続きです。
申立人の財産が現金、預貯金といった分かりやすいものだけでなく、評価のしづらい財産が多いとなると、複雑な事案として捉えられる可能性もあるでしょう。
さらに、住宅ローン特則を利用する場合などで、そもそも個人再生を利用できるのかどうかについて法的に難しい問題があるケースもあります。
そうした場合には個人再生委員を選任したうえで慎重に手続きを進める可能性が高いでしょう。