交通事故の過失割合
1 交通事故における過失割合とは何か
交通事故における過失割合とは、発生した交通事故においてどちらがどれだけの落ち度があるのかを割合で示したものであり、賠償金額を決める上で非常に大事な項目になります。
交通事故において、一方的に相手が悪いとなる件は、追突の事故、青信号対赤信号の事故、完全停車中の事故、歩行者が横断歩道を通常通り歩いていた際の事故くらいであり、それ以外の事故では、両者にある程度の過失があると考えられています。
交通事故被害者に過失があると判断された場合、過失割合の分の損害は加害者に請求できませんので、過失割合は争点になりやすいといえます。
2 交通事故における過失割合の決まり方
過失割合は、基本的に事故の状況を、過去の裁判例の集積と比較して判断されます。
たとえば、一時停止ありの交差点で、一時停止を無視して直進した自動車と一時停止の標識なく直進した自動車の事故であれば、基本過失割合は8:2となります。
ここに、一方の車が酒酔い運転をしていた、スマホを操作しながら運転していたというような、著しい過失がある場合には、一方の過失を増やすなどの考慮がされます。
3 交通事故における賠償への過失割合の影響
交通事故の賠償において、過失割合がある場合には、最終的な賠償において補償される金額も調整されることになります。
たとえば、治療費100万円、慰謝料100万円の事故で、過失割合が8:2であった場合、被害者が受けられる賠償金額の合計は、160万円(=(100万円+100万円)×80%)となります。
この際、治療費を自己負担でなく相手方保険会社負担で通院をしていた場合には、相手方保険会社は100万円の治療費を全額負担していることになるので、手元に賠償金として入ってくるのは60万円(=160万円―100万円)となります。
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