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弁護士法人心 池袋法律事務所

死亡事故で請求できる損害賠償金

  • 文責:所長 弁護士 田中浩登
  • 最終更新日:2024年4月16日

1 死亡事故の損害賠償金の各項目

交通事故に遭った被害者の方が亡くなってしまった場合、相手方へ請求することができる損害賠償の項目としては、①葬儀関係費用、②死亡逸失利益、③死亡慰謝料の3つがあります。

以下で、これらの各項目についてご説明します。

2 葬儀関係費用

葬儀関係費用とは、文字どおり葬儀等にかかった費用のことです。

しかし、例えば盛大な葬儀を挙げて費用が1000万円かかったからといって、それらを全て請求できるわけではありません。

自賠責保険から支払われる、いわゆる自賠責基準の場合、葬儀費用は100万円です。

ただし、令和2年3月31日以前に発生した事故の場合は60万円で、それを超えることが立証資料から明らかな場合は、100万円の範囲で必要かつ妥当な額となります。

一方で、裁判となった際や弁護士が間に入って交渉する、いわゆる裁判所(弁護士)基準の場合、葬儀費用は原則として150万円までとなっており、150万円を下回る場合は、実際に支出した額が限度となります。

また、事故発生場所や事故態様、故人の地位等から、150万円を超える額を支払うことが必要かつ妥当な場合は、ごくまれに150万円を超える額が認定されるケースもあります。

3 死亡逸失利益

死亡逸失利益とは、被害者の方が今後も生きていたならば得られたであろう収入(基礎収入)から、想定される今後の生活費を控除して、さらに就労可能年数に対応するライプニッツ係数を掛けた金額をいいます。

基礎収入は、事故時に就労していれば、原則として事故前の収入を基礎として算出しますが、30歳未満の若年労働者や学生などの場合については、厚生労働省が作成している「賃金センサス」という基準の金額をもとに算出することもあります。

また、生活費の控除は、具体的にいくら使う予定だったか立証しなければならないわけではありません。

例えば、一家の支柱で扶養されている人が1人の場合は、基礎収入から40パーセント控除するといったように、割合で決められます。

4 死亡慰謝料

死亡慰謝料とは、被害者の方が亡くなったことによる精神的な損害に対する慰謝料をいいます。

自賠責基準の場合、死亡慰謝料の金額は、死亡した本人の慰謝料として400万円(令和2年3月31日以前に発生した事故については350万円)、遺族(被害者の父母、配偶者及び子)の慰謝料として請求者1人の場合は550万円、2人の場合は650万円、3人以上の場合は750万円、被害者に被扶養者がいる場合はこれに200万円が加算されます。

一方で裁判所(弁護士)基準の場合、本人と遺族の慰謝料あわせて、一家の支柱の場合2800万円、母親や配偶者の場合2500万円、その他(独身者や子どもなど)の場合2000万円から2500万円となります。

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